うつ病を治したい…|治療法、期間・費用、薬の種類まとめ
仕事や学校など、社会生活を営む場所からストレスを受け、うつ病になってしまう人がたくさんいます。
うつ病は心の病とも言われ、本人の気持ちに委ねられるところから、治療が難しいなどと思われがちです。
しかし実はきちんと治す手段がたくさんあります。うつ病にかかってしまった人がもちろん一番辛いです。それを支える周りの人たちは、大変ながらもその人を理解し、支えていくことが必要になります。
今回はうつ病を治したい方に、治療法、期間、費用、薬の種類等をまとめていきます。

1.うつ病の治療法
うつ病にはいくつかの治療法があります。そのどれかの方法だけで治る人もいれば、すべて必要な場合もあります。
うつ病の現状を理解した上で、きちんと治療に取り組みましょう。
1-1.長期的な休養
あらゆる責任感を、可能な限り捨てることが肝心です。
休養は、簡単にできそうで、できません。うつ病にかかる人はどちらかといえば責任感が強く、一生懸命な人です。真面目だからこそ、周りに迷惑をかけられなくて、なかなか休養が取れなかったりします。
しかし精神的、肉体的に負担がかかっていては、なかなか治すことができません。
うつ病の重さにもよりますが、頼る場所がある人なら、休職という選択が望ましいでしょう。休養期間は、医師の診察にもよりますが、経過によって伸びたり縮んだりすることがあります。それでも治すことが最善です。
家庭がある女性は、家事があります。育児、家事の中でなかなか体を休めることはできません。その場合は家族に相談し、入院して休養するというのも一つの手です。周りは健康になってくれることを、一番に望んでいるはずです。きちんと相談するようにしましょう。
1-2.投薬
抗うつ 薬という薬を使うのが一般的です。
抗うつ薬にはいくつかの種類があり、それは症状によって処方されます。効果が出てくるのは数週間後と言われ、かなりのスローペースで効果が出てきます。飲んですぐに効果が現れなかったとしても、落ち込まずに薬を続けることが必要です。
うつ病の人は物事を否定的に捉えてしまう傾向があります。薬の効果がなかなか現れず、医療など役に立たないと思ってしまう人も中にはいます。
しかし、そうして薬から離れてしまうことの方が危険です。薬無しで無理に治そうとせず、きちんと専門家に意見を聞くことが、治療を早める要因になります。
1-3.精神療法・心理療法
うつ病の患者さんの考え方を変えることが大切です。
基本的に、思考は否定的なものになってしまっています。うまくいかないことを自分や他のもののせいにして、「どうせ」という雰囲気をまとってしまいます。これを柔軟な思考パターンに変化させることが必要です。
うつ病の人の中には、周りからのアドバイス(家族、友人、恋人)だと、素直に受け入れられない人がいます。そういった人は、医師や心理カウンセラーなど、専門家の意見を聞くことが症状改善につながります。
2.うつ病の治療にかかる期間・費用
基本は症状等によってまちまちです。
長い目で、ゆっくりと治していくことが必要です。
2-1.期間
患者さんが自ら治療にのぞめば、期間はそれだけ短くなります。
一般的な期間としては、36ヶ月で改善すると言われています。
しかし中には12年に及ぶ人もいます。うつ病は、再発、再燃の頻度が高い病気でもあるため、一度治ったからといって、急に元の社会生活の中に戻っていくことは危険です。あくまで少しずつ、また元の日常に慣れていくようにしましょう。
薬も基本的に、終わりを決めるのは、医師の判断となります。医師がもう飲まなくてもいいというまでは、飲み続けるようにしましょう。
2-2.費用
うつ病は、治療期間が明確でないことから、不安になります。
ただ、健康保険の対象になる病気ですので、そこは安心することができます。公的制度を利用するのも一つの手です。
「自立支援医療制度」は、障害のある方が、金額の不安無しに、安心して治療を受けられるために定められたものです。これは、うつ病などの精神疾患も対象になり、自己負担が一割程度にまで下がります。所得に応じて1ヶ月あたりに支払う金額に上限がかけられるので、安心して利用しましょう。
ネットにも説明が多くのっているので、まずは情報を集めて利用準備をすることが大切です。
3.うつ病の治療に使用される薬
うつ病にはいくつかの治療薬があります。それらを医師のアドバイスの元、適切に使用していきましょう。
3-1.薬の種類
基本的に医師は、抗うつ薬1種類で治療していくことを、前提にしています。
ただ症状に応じて、抗不安定薬、睡眠薬等を処方する場合もあります。
薬は種類が多ければいいというものではありません。それに加えて患者さんが納得することが大前提での処方となります。患者さんの中には、薬の多さに強い不安を感じる人もいるので、その時の心理状態にも左右されるでしょう。
また、何種類かの薬を使っても効果が見られない時は、より薬の幅を広げ、気分安定薬などを使用していくことになります。
3-2.副作用
抗うつ薬には、いくつかの副作用がありますが、種類にもよります。
主たる副作用としては、眠気、だるさがあげられます。また時には、口のかわき、めまい、頭痛、便秘などの症状が出る人もいます。
集中力低下などもおきやすいので、自動車や自転車の運転も控えておきましょう。副作用は基本、最初が強く、後はだんだんと慣れていき、適応することから弱くなっていきます。
医療機関では服薬中、数ヶ月ごとに心電図検査や血液検査を行って異常がないか確かめてくれますので、定期的なチェックはできるでしょう。ただ、副作用が強くて辛い場合は、できるだけ早く医師に相談する必要があります。
4.治療にあたって周囲の人が気をつけること
周囲の人は、するべきことと、すべきでないことを明確にして、サポートしてあげてください。
4-1.聞き上手になること
うつ病の人と話す時、「聞くこと」は非常に大切なことです。
うつ病中は自分に自信がなく、ネガティブな感情を多く持ってしまいます。また口数も減ってしまいます。
まずはそのネガティブな感情を相手にたくさん話してもらえるようにしましょう。言葉にすることで、少しはストレスが軽減されますし、そこに共感や理解を示してあげることで、相手も自信が出るかもしれません。
4-2.味方であることを伝える
常に聞き手に周り、相手との信頼関係が築けたなら、自分が味方であることをきちんと伝えましょう。
いつでも話を聞くよという意思表示をすることが大切です。
また、相手の話の内容より、感情をくみ取ってあげることで、相手はあなたに安心感をおぼえるでしょう。相手は自分が病気だということにも負い目を持っているので、相手の健康的な部分を多く見つけて評価してあげることも大切です。
これはあくまでうつ病とは別のものとして評価をすることですので、比べてはいけません。
4-3.アドバイスしない
アドバイスをしたり、励ましたりすることだけは止めましょう。
うつ病の人からしたら、「頑張れよ」や、「絶対大丈夫」など根拠のない励ましはマイナスに働いてしまいます。相手が辛い状態だからなんとかしたいという気持ちはもちろんありますが、どれだけ自分の感情をコントロールして話せるかが大切になってきます。
こちらはできるだけ質問を多くするようにして、相手が話しやすい環境を作りましょう。何気ない一言で、相手は傷つき、もう関係を持ってくれないかもしれません。
5.おわりに
うつ病は治る病気だという認識を捨ててはいけません。
適切な治療、本人の意思、そして周りの支えがあれば、必ず改善する病気です。どんなに長くても一生続くような病気ではありません。できるだけ頑張ってきた自分を認め、時にはしがらみも全部捨ててリラックスすることが、うつ病の予防にもつながります。
うつ病になったからといって、落ち込むこともありません。年間、かなりの数の人が同じことで悩んでいます。適切な治療法をまずは医師に尋ね、医師や家族と共に、しっかり治療に励んでいきましょう。