子育てのストレスを軽減する、ほんの少しの発想転換法

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お腹の中で40週間をともに生きた赤ちゃんが誕生した瞬間は、一見とても幸せで満ち足りたものに見えるかもしれません。

しかし、出産直後で生命を削るような思いをした新米のお母さんが、そのまますぐに幸せいっぱいの子育てを始められるかというと、そう単純なものではありません。特に生活が激変する新生児との暮らしは、意外なほどにストレスを感じるものになりがちです。

可愛いはずの子どもを育てるのになぜストレスを感じてしまうのか、どうすればストレスの解消ができるのか……。悩んでしまった方に少しでも役に立つ情報を届けたいと思います。

1.子育てでストレスを抱える主な理由

1-1.ホルモンバランスの乱れ

出産直後から、女性の体は急激に変化します。

これは妊婦モードから迅速に子育てモードに切り替え、次の妊娠を可能にするための動物の本能です。

子宮は急速に縮み、骨盤も戻り始めます。なるべく早く母乳が出せるよう血流も変化します。40週分の変化が6週間ほどで一気に戻るため、ホルモンバランスの変化に身体がついていけなくなり、概ね産後1〜2ヶ月の間に「産後うつ」と呼ばれる深刻な症状が出ると考えられています。

1-2.赤ちゃんのことがまったく解らない

新生児の育児はとても不安なものです。あまりにも小さく、すぐに消えてしまいそうな生命をどう守ればいいのかは、どんなに事前に勉強をしても、実際にやってみるまでは解るはずもありません。

すこし目を離した隙に何か起きるのではないか、お腹はすいていないか、おむつは汚れていないか、何故泣いているのか…何もかもまったく解りません。

母親なのに解らない、ということに対して「ごめんなさい」と感じてしまうことは、責任感の強い新米母にとって非常に大きなストレスになります。

1-3.とても簡単なことすらできない

一日中家にいるのに、トイレも満足に行けません。

汚れたおむつをゴミ箱に捨てに行くことさえ難しい時もあります。自分の食べるものを温める時間すらなく、下手をすると自分がものを食べる時間すら失っています。もちろん洗濯も満足にはできません。

それでも、外で働いている夫のために夕飯の用意をしなければ…という責任感が大きな負担になります。

1-4.夫が理解・協力してくれない

父親の自覚は、母親の自覚よりも遅れて芽生えると考えられています。

それに加え、自分の父親があまり家事・育児に関わっていなかった男性の場合は、自分の父親のように「男は働く、女が家庭を守る」という封建的な行動をとってしまいがちです。

自分の食事さえ満足にとれなかった妻にとって、帰宅した夫が1日の役目を終えたような態度でくつろいでいるのは目障りにすら映ります。

また、あらゆる家事が「ちょっとした隙間の時間にできること」だと考えている男性には、その「ちょっとした隙間」がまったくないことを理解できません。

2.今すぐできる、ストレス軽減のための発想転換法

2-1.その罪悪感は多くの人が感じています

新米お母さんのストレスは、根本的には前述の理由から生じる罪悪感をもとにしています。

夫と子どもを愛する母親が、夫や子どもに申し訳ないことをしていると感じるときの罪悪感は絶大で、普通の人間に耐えられるものではありません。そのストレスが怒りや悲しみになり、赤ちゃんに対してぞっとするような感情を抱くこともあります。

「私もニュースに出てくるような虐待をする親になるのではないか」という恐怖は、実は多くの母親が感じています。あなたの感情は特殊なものではありません。

2-2.母性はすぐには届かない

出産後すぐに母乳が出ることは、あまりありません。

それと同様に、あなたの母性がすぐ子どもに届くことも、まずあり得ません。

赤ちゃんはあなたのお腹の中で、とても快適に幸せに40週間漂ってきました。今は、びっくりするくらいに明るく、うるさく、乾いた場所に産み落とされて、不安で不安で仕方ないのです。言葉もわからず、抱っこされていることも最初は理解できていないでしょう。

あなたの母性は、これから伝えていけば良いのです。

2-3.夫も悩んでいる、父や母は忘れている

あなたの夫も、どうにか父親らしくしようと考えているかもしれません。

そして、子育ての先輩でもあるご両親は、おそらく現代の子育ての事は知らず、自分たちの子育てのことは忘れています。夫やご両親には、「頼る・相談する」というポーズでもって「指示する」くらいのつもりでも構いません。

2-4.新生児とその母親は一心同体で守られなければならない

小さな生命を守る存在として、母親は新生児の次に守られるべき存在です。

母親の最も重要な責務は「自分が生きること」です。

出産方法やおむつの種類、母乳の出方などで母親としての能力を批評するような他人の言葉は、あなたを追い詰めるだけで救うことはありません。子どもを産んだ女性すべてが、その瞬間から無償の自己犠牲を貫く聖人になるべきだと思っている相手とは距離をおきましょう。

3.夫や家族の協力のもとで行うストレス発散法

3-1.子どもを連れ出してもらう

大半の世の夫が、妻のストレス解消は「少しなら俺も見ていられるから、映画でも観て気分転換してきなよ」といった程度のものと考えているのではないでしょうか。

これは、前述のストレスを抱える理由についてまったく理解ができていないことを示しています。新米母は、安心して休めるところで自分の時間を使って、何かをやりとげたいのです。

夫に求める言葉は「俺が半日は面倒みるから、家で好きに過ごしなよ」です。

ゆっくり眠るもよし、お風呂に入るもよし、少し休んでから気になっていた部屋の掃除をするもよしです。ただただ泣いていたい時もあるでしょう。一番心と体が休まる自宅で、好きに過ごす時間をつくってもらいましょう。

まだ赤ちゃんが首も据わらないほどの時であれば、別室で休ませてもらうだけでも構いません。

3-2.ただ居てもらう

もし、赤ちゃんが小さく、夫や家族に任せるのが不安であれば、赤ちゃんを見ること以外の全てを頼みましょう。

それすらできなければ、ただ家にいてもらうだけでも構いません。とても小さな生命と共に居ることに対する、独特の怖さを共有してもらうだけでもある程度のストレスは解消されます。

3-3.両親に任せて夫との時間をつくる

ご両親に任せることができるのであれば、夫とほんの1時間ほどだけでも、二人で過ごす時間を作りましょう。

イベントや派手なデートをする必要はありません。自宅の周辺を散歩するだけでも構いません。

赤ちゃんと離れる時間を意識して作ることで、自分を見失わないようにすることができるでしょう。

4.自分を褒めてあげることが大切

まず、赤ちゃんを無事に産んで、自分がちゃんと生きているだけでも大変なことです。

そして、小さな赤ちゃんを日中たったひとりで守っているだけでもすごい事です。

それに加え、まだ父性の実感がわかない夫への関わりや、張り切りすぎな両親からの干渉に、あなたはとても疲れやすくなっています。

そんな状態で、目の前の生命を育てているということ、少しでも快適に過ごせるように心を砕いているということに対して、自分を最大限に褒めてあげてほしいと思います。

5.おわりに
残念ながら現代の日本では、妊婦や子育て中の母親に対する温かい支援は失われつつあります。

そんな中でも子どもを慈しみ、元気に育てたいと思う女性が、その責任感からストレスを抱え、辛い思いをしてしまうのは悲しいことです。

子育てに悩む女性のストレスが少しでも軽くなるよう、この記事が役に立てば幸いです。

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